家族同居高齢者の孤独感と子どもからのサポートの影響 ――在日中国人高齢者を例として

 2022-08-28 11:39:12

论文总字数:11245字

摘 要

  本论文着眼于在日本居住的中国老年人,通过问卷调查和实地采访,旨在阐明老年人孤独感的特征和影响老年人孤独感的因素,并提出改善办法。结果得出以下结论:在日中国老年人产生的孤独感与亲子支持、受教育水平、主观健康状态等因素有关。并且,不能及时适应异国环境的老年人,孤独感更加强烈。最后,文章提出了有关方面的解决方法与对策。

关键词: 孤独感 老年人 在日中国人 亲子支持

要 旨

 本論文は日本で滞在している中国人高齢者に注目し、半構造化インタビューおよび質問紙調査を通じ、高齢者の孤独感の特徴や孤独感に影響を与える要因を明らかにし、改善策を提案することを目的とする。面接調査による半構造化インタビューおよび質問紙調査を行い、以下の結果が出された:①在日中国人高齢者の孤独感と、子供から受けるサポートや教育年数や主観的健康状態との関連性は認められた。②また、異国の場合に当たり、環境に適応できない高齢者に、孤独感をより顕著にみられると考えられる。そして、三つの改善策を提案された。

キーワード:孤独感 高齢者 在日中国人 子供からのサポート

目  次

はじめに 1

第一章 在日中国人高齢者の孤独感の現状 2

1.1孤独感の定義 2

1.2在日中国人高齢者の孤独感の特徴 2

第二章 在日中国人高齢者の孤独感に影響を及ぼす要因 4

2.1性別や年齢 4

2.2主観的健康状態 4

2.3教育年数 4

2.4住居形態 4

2.5家族構成と家族関係 5

第三章 在日中国人高齢者の孤独感を改善する提案 6

3.1子供からのサポート 6

3.2ソーシャルサポート 6

3.3社会保障制度の改善 6

おわりに 8

参考文献 9

付録 10

謝辞 12

はじめに

 中国では社会と経済の発展、生活水準の向上などによって、人口構造には急激な変化が生じており、高齢化が急速に進行している。2010年に実施された第6回人口調査によると、2010年末に、中国の60歳以上の高齢者人口はすでに1億7800万人に達し、およそ総人口の13.3%を占め、うち65歳以上の高齢者人口は1億1900万人で、総人口に占める割合はおよそ8.9%である。中国の高齢化に伴い、高齢者孤独感に関する研究も増え始めた。

 高齢者の中には、このような特別な人間がいる。彼らの子供は日本で就職し、生活している。そのため、いろいろな原因で彼らは日本に来た。法務省における在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表によると、日本に滞在する中国人の人数が年々増えていることが分かった。特に、家族滞在という在留資格を持っている人の人数も大きく増加した。そのうち、高齢の親は少なくないと推測できるだろう。彼らの異国生活はうまく進められるかどうか、孤独を感じるかどうかは重要な課題になる。

 高齢者の孤独感に関する研究はこれまで多くなされてきており、高齢者の孤独感には、生活満足度なども有意に関連することが報告されているが(青木,2001)、特に、他者との関係が大きく影響していることが報告されている(長谷川・岡村・安藤・児玉・古谷野,1994;林・劉・展・李,2008)。高齢者を取り巻く人間関係の中で、最も身近なサポート源は家族である。多くの社会において、サポート提供という面での家族の果たす役割は大きく(Lee,2002)、重要他者である子供との関係が孤独感に及ぼす影響は大きい。梶原杏奈(2008)は同居高齢者と施設高齢者の孤独感の差を比較するにより、施設高齢者の方は有意に孤独感が高いということがわかった。しかし、在日中国人高齢者を対象とした研究は筆者の管見の限りでは少ないように思われる。

 そこで、本稿では、日本で滞在している中国人高齢者に注目し、半構造化インタビューおよび質問紙調査を通じ、高齢者の孤独感の特徴や孤独感に影響を与える要因を明らかにし、改善策を提案することを目的とする。

第一章 在日中国人高齢者の孤独感の現状

1.1孤独感の定義

 孤独感とは、長田(1982)によると、「人の社会的関係における何らかの欠損から生じる、主観的な経験なのである」としている。工藤ら(1983)は「孤独感は欲求レベルと充足レベルの食い違いから起こる不快かつ主観的経験なのである」と述べており、Perlmanら(1981)によると、「孤独感は、個人の社会的関係のネットワークが量的にまたは質的にある重要な点で欠けた場合に起こる深い何経験である」と定義している。

 以上の孤独感の定義から①孤独感は個人の社会的関係の欠如によるものである②孤独感は主観的会見である③孤独感は不快であるという三つの共通点を挙げることができる。そこで、本論文において、孤独感とは「周囲の人の有無に関わらず、人間が個人の社会的関係量にまたは質的な欠如を生じ、それに要る不快な主観的な経験または感情である」と定義する。

1.2在日中国人高齢者の孤独感の特徴

 在日中国人高齢者の孤独感の特徴を明らかにするために、半構造化インタビューおよび質問紙調査を行った。

1.2.1調査対象と調査方法

 九州福岡市市内在住している中国人高齢者8名を対象に、面接調査による半構造化インタビューおよび質問紙調査を行った。調査は2016年12月28日から2017年3月10日にかけて行われた。筆者は事前に調査の依頼を行い、許可を得た上で調査を行った。また、調査協力者の家族関係や交友関係を詳しく尋ねるため、初対面なのでプライベートな内容を聞き出すのは難しいと判断する。まずはより多くの場面での出来事について尋ね、表面的な部分を中心に聞き出し、だんだん親しくなったら、特定の場面での出来事に限定して詳細に尋ねることとした。面接場所は、近所の喫茶店や調査対象の家において、個別面接方式で行った。

1.2.2面接と調査内容

a. 基本属性

 年齢、性別、家族類型、主観的健康状況、主観的経済状況について、回答を求めた。主観的健康状況は、「1:全く不安はない」~「4:非常に不安である」の4件法で回答を求めた。また、主観的経済状況は、「1:生活するには十分である」~「4:非常に不安である」の4件法で回答を求めた。

b. 孤独感

 孤独感を量的に表すために、Russellら(1980)が開発した孤独感尺度(UCLA尺度)で、柴田(2010)が日本語に翻訳され、豊島彩・佐藤眞一によって因子構造と信頼性、妥当性を検討されたUCLA孤独感尺度第3版を用いる(アンケート調査票として使う)。各20項目に対し、対象者には「1:当てはまらない~「4:当てはまる」4件法で回答を求めた。UCLA孤独感尺度は1因子から構成されており、全項目の得点を単純加算し(満点80点)、「孤独得点」として分析を行った。

 なお、8名の高齢者の「孤独得点」の幅は3、18、20、38、38、40、46、48点である。

1.2.3在日中国人高齢者の孤独感の特徴

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