论文总字数:13219字
摘 要
日本经济在上世纪六七十年代取得了举世瞩目的成就,这离不开其独创的一套先进的企业管理制度。但在经历了泡沫经济之后,日本国内外对于这套曾经带给日本经济辉煌的管理制度发起了批判。而作为儒家文化圈内的国家之一,日本的企业管理制度也与儒学息息相关。我们对于其中儒学带给企业经营的积极影响应当借鉴,同时找出其已不适应当今需求的儒学因素,以免重蹈覆辙。
本论文从儒学传入日本的历史出发,阐述传入过程中日本对于儒学的吸收特点以及当代日本与儒学的密不可分。其次就儒学对日本企业经营的积极和负面影响两方面进行探讨。积极方面主要从儒学的家文化和日本的家族企业、儒学的忠的思想和日本企业的管理制度、儒学的义理和日本的士魂商才三方面论述。消极方面结合前段时间日本企业发生的系列丑闻进行探讨。最后从日本经验中总结出能为我国经济发展所汲取的经验教训。
关键词:日本经济、企业文化、儒学、经验教训
要 旨
20世紀60年代、日本経済はその独創した優れた企業管理制度によって著しい成果を上げた。だがバブル経済のあと、国内外から批判の声があがってきた。儒家文化圏に属する国家の一つとして、日本の企業管理制度も儒学とは切り離せない存在である。そして、その儒学のもたらした積極的な影響を我々は鑑みるべきであり、いまの時代には既に適していない儒学要素も探り当て、覆轍を踏まないように心がけなければならない。
本論文は儒学が日本に伝来する歴史から、伝来の際日本が儒学に対する吸収の特徴や現代日本と儒学との密接な関係を述べた。そして儒学が日本の企業経営に対する影響の積極的な面と消極的な面に分けて探討した。積極的な影響は儒学の家文化と日本の家族企業、儒学の忠誠心と日本企業の管理制度、儒学の義理と日本の士魂商才この三つの部分からなり、消極的な内容は主にこの前日本で起こされた企業の不祥事を踏まえて不適な儒学要素を抉り出した。最後に日本経験から我が国の経済発展のためになる教訓を汲み取った。
キーワード:日本経済、企業文化、儒学、教訓
目 次
はじめに(序論)……………………………………………………1
第一章 儒学が日本に伝来…………………………………………………2
1.1 儒学が日本に伝来する歴史………………………………………………2
1.2 日本人の性格とそれによる儒学への吸収の特徴………………………2
1.3 儒学と現代日本 ……………………………………………………………3
第二章 儒学と日本の企業経営……………………………………………4
2.1 儒学の「家」と日本の家族企業…………………………………………4
2.2 儒学の「忠」と日本企業の管理制度……………………………………4
2.3 儒学の「義」と日本の士魂商才 ………………………………………5
第三章 当代日本企業にある儒学要素の弱み…………………………7
2.1 「宗教化」した日本企業………………………………………………7
2.2 終身雇用制度の崩壊……………………………………………………8
おわりに……………………………………………………………………9
参考文献……………………………………………………………………10
はじめに
20世紀60年代、東アジアの儒家文化圏に属するいくつかの国では経済発展において著しい成果を収めた。その代表の一つとしての日本は、欧米とは異なった、規則に厳しいより人情を中心とする企業管理制度によって優越性を表した。しかし、最近、とくにバブル経済の崩壊以来、日本国内でも国際でも年功序列や終身雇用といった日本の経営方式への批判の声が高まってきた。そして、「合作」、「ウィンウィン」、「グローバル化」といったキーワードを代表とする現在の経済発展背景のもとでは、儒学要素を吸収した日本の企業経営は我々にとって鑑みるべきところや、時代に適応しない取り除くべき部分を探り出すのが今度の論文の目的である。
- 儒学が日本に伝来
- 儒学が日本に伝来する歴史
今までの研究から見ると、中国の儒学経典が朝鮮を経由して日本に伝来しはじめたのは紀元五世紀の頃だと普遍的に認識され、そして日本人がシステマチックに研究を始めたのは六世紀頃のことである。『日本書紀』によると、513年、百済王が段揚爾という五経博士を日本に派遣した。これを皮切りとして、五経博士をどんどん日本へ送り続いた百済は儒学伝来の橋渡しの役を果たしていた。この時期の日本は儒学に対する研究と吸収は模索、模倣の段階にとどまり、その外来の優れた文化を取り入れつつそれを自分の一部として消化していた。そして当時既に伝来していた「徳治」、「仁政」といった思想を基とした社会変革も激しい勢いを示した。中国文化を尊ぶ聖徳太子が徳、仁、義、礼、智、信の順序に沿って冠位十二階を設定し、君主に忠誠を尽くし、民に仁政を施すといった規範を打ち出し、儒学の力を借りて貴族勢力を潰そうとした。
八世紀奈良時代から、主に「九経」を教科書とする教育機構「大学察」が設けられ、儒学が学校教育の体系を通して伝えられた。しかし、九世紀後半から、自らの硬直化もあり、それに社会需要や支える政治の力の喪失によって、日本での儒学が衰えの一途にたどった。 儒学が日本での影響が衰えつつあるとき、中国仏学が伝来し、しかも一躍して思想界を惣領するようになり、儒学も仏学の附属になってしまった。中国からの仏学はもともと儒学要素を内包し、そのとき中国ではやっていた宋明理学も儒学、道学、仏学を一身に集めたもので、仏学と同じく心性修養を強調する。こうして鎌倉中期から宋明理学が仏学と一緒に日本で広がったが、所詮ただ仏学の教養に位するだけであった。
そして日本の儒学が完全に仏学から独立できたのが近世のころである。藤原惺窩という禅師が還俗し、宋明理学の各派を統一して儒学の統一前線を作り、江戸時代の儒学の開祖となった。弟子の林羅山も師の跡を継いで儒学の独立に力を尽くし、日本の社会環境を踏まえて朱子学を尊んでいた。
1630年徳川家康が日本を統一して江戸幕府を建立した。武家の徳川が最高権力者としての地位を維持するために朱子学の理論を借りて自らの権威の合理性を裏付けようとする。「天命観」を説きつつも厳格な秩序が必要となる「理」を人々の観念に根付け、「天理」を主な内容とする朱子学が公式の学問となってしまい、しかも引き続き明治維新までその影響を及ぼした。明治維新の幟である「尊王攘夷」がその代表的な内容の一つである。
- 日本人の性格とそれによる儒学への吸収の特徴
既に言い古されたように、資源に乏しい狭い島国という厳しい地理環境がゆえに日本人はとりわけ危機意識を持っている民族であり、そしてその危機意識が直接につながっている心理が二つある。一つは外来のものに対する貪るような需要、速い吸収力と融通のきいた応用力である。ないならよそから取り入れようと、中国から思想文化を吸収するときにせよ後ほど西洋から科学技術を輸入するときにせよ、日本人は開放的な姿勢で外来物を取り入れ、日本の特色を添えてから素早くそれを自分の一部にしていた。儒学への吸収の過程からもそのすばらしい能力がうかがえる。もう一つの心理は実行本位である。物質がそれほど豊かではないからできるだけ実行によってより富裕な生活が成り立つように、日本人は空想より実務を重んじる。中国から伝来した儒学も実行主義で彩った。内心の反省と論理の推敲に耽けている中国の儒者と異なって、日本人は積極的に儒学を日常生活の変革と向上に用いようと、形而上学の儒学を世俗のものに変えた。朱子学の「格物窮理」といい、陽明学の「知行合一」といい、中国儒者の目から見るとそれは崇高な道徳への追求や理想的な人格であり、聖人になるための修業である。それに対して明治維新時期における日本人は「理」と「知」を自然科学の領域に用いた。実践があるからこそ真知に到達でき、試行錯誤の重ねで積もった経験が真理への道を切り開く。日本人の改造した実用性儒学は西洋科学技術が渡来する渡橋となっていた。
- 儒学と現代日本
現代日本に及ぼした影響から見ると儒学は諸刃の剣のような存在だと言えよう。日本人の礼儀ただしさは国際範囲にしても評判であり、大和の「調和」を貫く性格が世界中に知られている。それに義理人情を重要視し、恩情の恵みと縛りの間に往き来している。階級観念が具体化して社会規則になってしまい、敬語が頻繁に使われ、年功序列や上下関係が社会の隅々までしみ込んでいる。一方、ひるがえって見ると、規則に縛られて、日本人が硬直で融通がきかないという印象も与え、また面子や名誉を顧みすぎて、名声を挽回するためにともすると自殺といった極端な行為をとるようになる。日本人のとる行動や思考方式など様々な面で儒学の影響を察することができる。企業経営といった経済活動を行なう際もむろん例外はない。これから本文の第二、三章はそれについて詳しく展開する。
- 儒学と日本の企業経営
2.1 儒学の「家」と日本の家族企業
家族企業は由緒のある一種の企業形態として世界各国ではすでに見慣れた存在になっていたが、とりわけ日本の家族企業はその数の多さや寿命の長さを誇っている。日本の家族企業の根源に遡ると、中国の儒家文化とは切り離しがたいことが察知できる。しかし、日本の家族企業の文化の礎となったものは中国から渡来した儒学そのものではなく、渡来したものに基づいて改造された日本式の「家文化」である。日本ではたくさんの長寿家族企業が存在している。その原因は日本の家文化の背景のもとでの独特な財産継承制度にある。つまり血縁の重要性を暈かすことや家柄と家業の伝承を重要視することである。日本の家族企業の成功はその開放的な伝承制度とは切り離せないし、さらにその制度の背後にある開放的な家観念につながっている。
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