村上春樹作品世界の孤独分析―『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』を中心に

论文总字数：12330字

摘 要

2013年发售的村上春树新作——《没有色彩的多崎作和他的巡礼之年》被认为是继《世界尽头与冷酷仙境》、《1Q84》等，反思体制与组织的作品之后，村上春树式青春小说的回归。本次的作品依然继承了“孤独”的主题，但主人公多崎作孤独的成因和他对待孤独的态度与之前的作品相比又多了很多崭新的内容。从作品中感受得到的引起读者共鸣的情感力量还是一如既往。

关键词：村上春树 孤独 原因 态度 没有色彩的多崎作和他的巡礼之年

要 旨

　２０１３年発売された村上春樹新作――『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』は『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』、『１Ｑ８４』のような体制と組織などを問い詰める作品が現れた後、村上式青春小説の回帰だと考えられる。相変わらず、本作品のテーマも「孤独」であるが、変化したのは主人公――多崎つくるの孤独の原因と彼の孤独に向かう姿勢を前の作品と比べれば、多くの斬新なものが含んでいることで、変わらないことは作品から感じられる人の共感を引き起こす力である。

キーワード：村上春樹　孤独　原因　態度　色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年

目　次

はじめに（序論）……………………………………………………………1

第一章　多崎つくる―今を生きる孤独の魂…………………………………2

1　『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』粗筋………………………2

2　孤独とは何か…………………………………………………………………2

3　多崎つくるが孤独になった原因……………………………………………3

3.1　直接の原因………………………………………………………………3

3.2　彼自身の原因……………………………………………………………3

3.3　家庭の原因………………………………………………………………4

　　4 『ノルウェーの森』との違い…………………………………………………5

　　　　4.1　立てられた主人公と作品の雰囲気………………………………………5

4.2　社会環境の描写…………………………………………………………5

第二章　多崎つくる――孤独の扱い方………………………………………6

　1　「記憶を隠すことができても、歴史を変えることができない」……………6

　2　人々は孤独で通じ合う………………………………………………………6

3　『ノルウェーの森』との、孤独対処法の変化………………………………7

第三章　本作品のエンディングに対する解読…………………………………8

おわりに……………………………………………………………………9

参考文献……………………………………………………………………10

謝辞………………………………………………………………………

はじめに

発売される前でも、すでに話題になっていた村上春樹新作――『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』は久しく青春感情を題材にした作品である。売れっ子になった本作品は、はじめから、評価と批判がハーフアンドハーフに近い状態になっている。

本論文を書く目的は、本を解読しながら、今度の作品が前の作品の模倣とか同じ題材の焼き直しとかではなく、著者がその中に新たな人生段階で悟った新しい感想を注いでいることを述べることである。それに、村上春樹と彼の作品が成長した姿を分析しながら、改めて人の共感を呼ぶその力と彼の作品ならではの感動を味わいたい。

その変化をより分かりやすく説明するために、比較の方法も使う。前の青春題材の作品は少なくないが、その中で一番代表的な本――『ノルウェーの森』を用いて比べる。

第一章　多崎つくる――今を生きる新しい孤独な魂

1　『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』粗筋

多崎つくるは３６歳、独身である。少年の頃からの駅好きが嵩じて、鉄道会社の駅舎の設計管理部門に勤めている。名古屋で高校に通っていた頃、彼には男女二人ずつの、親友と呼べる仲間たちがいた。五人は、それぞれタイプは全く異なっていたが、むしろそれゆえに、まるで正五角形のように完璧な親密さを形成した。つくる以外の四人は、姓に色が入っていた。あだ名は「アカ」「アオ」「シロ」「クロ」である。つくるだけ色彩を持っていなかった。そして彼だけが東京の大学に進学した。二十歳を前に帰省した際、つくるは突然、四人から一方的に絶縁を宣告される。理由は全く思い当たらなかった。彼は死を強く望むほどのショックを受け、現実世界に戻ってきた時には、ほとんど別の人間と言ってもいいくらいの変貌を遂げていた。

それ以来、１６年間、彼はかつての親友たちと一度も再会していない。だが彼は仕事の関係で知り合った、二歳年上の魅力的な女性、沙羅から、遠い昔の、五人組からの追放の真相を、今こそ確かめるべきだと言われた。こうして、多崎つくるの「巡礼」の旅が始まる。「巡礼」は、思いがけぬことに、最終的にフィンランドの片田舎へと、つくるを向かわせる。懐かしい四人の友達の、１６年前の秘密と、１６年の間に起こっていた変化と、１６年後である現在の姿が、いっぺんに彼に訪れる。痛ましさと彩られた真実と、それでも解かれることのない、おそらくは解かれるべきでもない謎が、いくつも浮かび上がってくる。

2　孤独とは何か

「深くつきあいたい、もっと話をしたいと思う相手には一度も出会えなかった。だから東京では大方の時間を一人で過ごした。そのおかげで前より多く本を読むようになった。

『淋しいとは思わなかったの？』と沙羅は尋ねた。

『孤独だとは思ったよ。でもとくに淋しくはなかったな。というか、その時の僕にはむしろそういうのが当たり前の状態に思えたんだ。』」（《色彩の持たない多崎つくると彼の巡礼の年》 27）^[1]

　孤独とは頼りになる人や心の通じ合う人がなく、一人ぼっちであること。

　淋しいとはあるはずのもの、あってほしいものが欠けていて、満たされない気持ちであること。（新明解国語辞典）

　孤独は成因による、いくつかのジャンルに分かれる。大事な家族を失ったからとか、大切な恋人を失ったとか。、彼の場合は友達と呼べる存在がいないことである。。

　多崎つくるは今、自分が一人ぼっちである状態を認識出来ているけど、その現状を「淋しくはなかった」と言うのは「友達」を自分のあるはずのもの、あって欲しいものだと考えていないからである。この部分から多崎つくるの「友達」という存在に対するネガティブな態度がわかる。現在の孤独状況に辿り着いた原因は表には自分の興味を惹く相手がいないと見せかけているけれど、実は彼の心の問題で友達を探す目で人を見られないからである。時間は人の大体の心の傷を癒してくれる。しかし、このような感想を言い出したのはもうすでに３６歳で大人になった多崎。その傷の深さを想像できる。というわけでこれから彼の過去を抉り、その原因を分析してみる。

3　多崎つくるが孤独になった原因

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