学習者の「ケドガ」の習得状況と教材における扱われ方

 2022-01-30 20:19:12

论文总字数:9460字

摘 要

虽然日语中经常使用「ケド/ガ」,很多研究者也对其功能和用法进行过研究,并取得了杰出的研究成果。但是,在日语教学中并没有被充分应用,可以说,对「ケド/ガ」的指导方法尚未确定。

本研究中有2个课题。①对中国的大学日语学科中被广泛使用的叫做《综合日语》的日本教科书中的「ケド/ガ」的使用方法进行了调查。②通过问卷调查,以中文为母语,且在中国居住的学习者(大三学生)为对象,对「ケド/ガ」的各种功能的学习情况进行了考察。

通过调查得知,学习者对「ケド/ガ」的学习情况整体都不太好,对于其中的一些功能,别说是正确自然的使用,就连用法的存在都不知道。尤其是对“接受要求”,“告知名字”,“委婉表达”这三种用法的学习情况不容乐观,“提示话题”“表明前提”“委托、希望”这三种学习情况相对较好。通过分析教科书,明白了将其作为语法来解析是非常重要的,对学习情况能有较大的影响。

关键词:「ケド/ガ」 功能 学习状况 《综合日语》 使用方法

要 旨

日本語の話し言葉に「ケド/ガ」がよく使われているが、多くの研究者はその機能・用法に注目して、数多くの素晴らしい研究成果を収めた。しかし、日本語教育にまだ十分に応用されずに、「ケド/ガ」に対する指導法がまだ確立されていないといえる。

 本研究は2つの課題がある。①中国の大学の日本語学科で多く使用されている『総合日語』という日本語教科書における「ケド/ガ」の扱われ方を調査する。②アンケート調査を通じ、中国語を母語とし、かつ中国に在住している学習者(大学3年生)を対象に、「ケド/ガ」の各機能に対する習得状況を考察する。

 調査により、学習者の「ケド/ガ」に対する習得状況は全体的にあまりよくなく、一部の機能については、正しくて自然に使えるどころか、その存在すら知られていないこともある。特に「受入求め」「名前告げ」「発話緩和」という3つの機能は習得が最も悪く、「話題提示」「前提表明」「依頼・要望」は比較的に習得率が高い。教科書分析により、それを文法として解析するのが非常に重要で、習得状況に大きな影響を与えることが明らかになった。

キーワード:「ケド/ガ」 機能 習得状況 『総合日語』 扱われ方

学習者の「ケド/ガ」[2]の習得状況と教材における扱われ方

目次

第一章.序論及び「ケド/ガ」の機能分析

1.1 はじめに

1.2 先行研究の概観及び課題提出

1.3 「ケド/ガ」の機能分析

第二章.中国人学習者の「ケド/ガ」の習得状況

2.1 アンケート調査の作成

2.2 調査結果と習得状況の分析

2.3 「ケド/ガ」の習得状況の分析

第三章.日本語教科書における「ケド/ガ」の扱われ方

3.1 機能別の分析

3.2 提示方法

3.3 教科書分析の結果のまとめ

  1. .結論

     4.1 まとめ

     4.2 今後の課題

第一章.序論及び「ケド/ガ」の機能分析

1.1 はじめに

(1)山崎:そうですか。告知板には何が書いてありますか。

 王:はっきり覚えていませんけど、内容がちょっと長いようです。

 以上のような前置き表現は、日本語教科書において早い段階から導入されている。しかし、これまでの研究では、学習者が上級レベルになってもなかなか適切に使えないことが報告されている(柏崎 1992、陳・古江 2008)。

 また、下記の(3)と(4)のように、日本語の談話において、接続助詞「ケド/ガ」で発話を終わる文がしばしば観察される。それも日本語学習者にとって習得が非常に難しいと報告されている(石川 2005、朴 2012)。

(2)王麗:そうですね。でも、やっぱりちょっと大きすぎるんで、交換したいけど。

 店員:レシートはお持ちでしょうか。

 

1.2 先行研究の概観及び課題提出

文末における「ケド/ガ」については、佐藤(1994)は、学習者は明確な文法的知識をもっていないばかりでなく、日常会話においてその言い方が存在すること自体に気づいていない場合が多いこと、その習得の難しさは「ケド/ガ」の機能、用法の複雑性と関係があると指摘している。多くの研究者はそれに注目して、数多くの素晴らしい研究成果を収めた。しかし、日本語教育にまだ十分に応用されずに、「ケド/ガ」に対する指導法がまだ確立されていない(石川 2005)。陳・古江(2008)、朴(2012)等は、日本語教科書における「ケド/ガ」の扱われ方を調査する必要性を指摘した。しかしながら、そういう調査研究は十分ではなく、特に中国でよく使われている日本語教科書を調査対象にしているのは、管見の限り、ないようである。外国環境で第二言語を学習する場合、教科書は学習者にとって重要なインプットの元になるので、本稿においては教科書を分析することにする。

「ケド/ガ」の習得を調査したこれまでの研究は、日本で留学している学習者を調査対象としているものが多くあるが、中国国内に在住している学習者の習得状況に関する研究は非常に少ない。しかし、両者の学習環境の相違によるインプットとアウトプットの質も量も異なる。そのため、習得に大きな影響が及ぼされると考えられる。本研究においては、中国国内の学習者の習得状況を把握するため、中国語を母語とし、かつ中国に在住している学習者を対象とし、「ケド/ガ」に対する習得状況を調査し、その結果を日本語教科書における扱われ方と関連付けて検討する。

1.3 「ケド/ガ」の機能分析

 学習者の立場に立ち、主に石田(1995)、成田(2001)、成田(2004)、三枝(2007)による「ケド/ガ」の機能に関する研究結果を参考にし、改めて整理し、類似の項目を統合し、統括する。再分析の結果は、用例を挙げながら機能別に説明する。用例は全部先行研究によるものである。

表1 「ケド/ガ」の談話機能のまとめ

機能

下位分類

用例

文中

前置き

話題提示

これからの話だけど、……

前提表明

チケットがあるんだけど、来週、映画を見に行かない?

注釈

夜分遅く恐れ入りますが、太郎くんはいらしゃいますか。

文末

発話補完

え、そう?タイにもお返しの習慣があるよ。まあ、すぐには返さないけど。

発話緩和

A:きょうの試験、難しかったね。

B:そう?このあいだよりもやさしかったけど…。

働きかけ

依頼・要望

隣の学生:すみません、ちょっとうるさいんですが…

高橋:あ、すみませんでした。静かにします。

意見・意図・考え方求め

ある週刊誌のインタビューで、結婚は単に惚れたはれたでするものではないと発言していましたけど。

名前告げ

もしもし、岡島ですが。

受入求め

つまらないものですが……

第二章.中国人学習者の「ケド/ガ」の習得状況

2.1 アンケート調査の作成

「ケド/ガ」の習得状況に関する先行研究において、日本に在住している学習者を調査対象とし、コーパス或はインタビュー等を利用し、「ケド/ガ」を使う回数を統計し、考察したものが多い。しかし、中国国内の日本語学習者を対象にして調査した研究は少ない。本稿は、中国語を母語とし、かつ中国に在住している日本語学科の大学生を対象に、アンケート調査により、「ケド/ガ」に対する習得状況を考察する。

選択問題例:

A: ずいぶんきれいなところで。

B: ええ、そうですね。あ、あのう、田舎です(a.けど  b.よ  c.×)。

有把握○ 没把握○

文完成問題例:

(在商店)

顧客:どっちの色がいいと思いますか?

店員:そうですね。黄色の方が似合うと (思う)

顧客:黄色もいいね。

問題は全部日本語能力試験及び先行研究から抽出されたものであり、日本人母語話者による発話例なので、自然で正しい日本語だと言える。具体的な問題設定状況は下表の通りである。

表2 アンケート調査問題設定状況

機能

下位分類

問題数

選択問題の番号

文完成問題の番号

前置き

話題提示

1

2

前提表明

3

7、11

23

注釈

2

14、17

発話補完

3

4、8、21

発話緩和

2

22

24

働きかけ

依頼・要望

3

15、19

25

意見・意図・考え方求め

3

5、10

26

名前告げ

1

18

受入求め

1

13

錯乱肢

7

1、3、6、9、12、16、20

26

22

4

 

2.2 調査結果と習得状況の分析

本節ではアンケート調査の結果について報告する。機能別に、「ケド/ガ」、「よ」/「ね」、言い切り表現への選択人数を統計し、選択率を計算する。自信なく選んだ場合、正しく選んでも、習得とは認めない。つまり、実際の習得率は、自信があって正しく選んだ場合のみとする。それから、調査結果を機能別にそれぞれの表よって提示する。最後に、各機能を1つの表にまとめ、比較を実施する。

表4 「ケド/ガ」の機能別の選択回答のまとめ

機能

下位分類

×

ケド

前置き

話題提示

7.41%

3.70%

77.78%

前提表明

3.70%

0%

85.19%

注釈

3.70%

29.63%

59.26%

発話補完

13.58%

9.88%

48.15%

発話緩和

3.70%

14.81%

48.15%

働きかけ

依頼・要望

9.26%

1.85%

79.63%

意見・意図・考え方求め

20.37%

18.52%

57.41%

名前告げ

0%

51.85%

48.15%

受入求め

11.11%

18.52%

66.67%

平均

13.12%

4.07%

16.53%

63.38%

 

縦断的に比較すれば、各選択肢の機能別の選択率が明確になってくる。

けどを選択しない場合、「よ」を選択したものがいる。その選択率は、平均的に13.12%である。各機能の内、「よ」の選択率の最も高いのは「意見・意図・考え方求め」、20%に達している。「ね」は「よ」より選択率が低いが、最も高い「依頼・要望」としても、10%弱に過ぎない。平均的には、4%を少し超えているだけである。「よ」と「ね」より、言い切り表現は選択率が比較的に高い。平均的には16.53%であるが、「名前告げ」及び「注釈」という機能についてはそれぞれ51.85%、29.63%に達している。この結果により、学習者は言い切り表現と「ケド/ガ」との使い分けができていないことがわかる。

 次に「ケド/ガ」の選択率について検討する。表5に「ケド/ガ」の選択率の低い機能から高い機能へ順を追って整理している。

表5 機能別の「ケド/ガ」の選択率

機能

名前告げ

発話補完

発話緩和

注釈

意見・意図・考え方求め

受入求め

話題提示

依頼・要望

前提表明

選択

48.15%

48.15

48.15%

59.26%

57.41%

66.67%

77.78%

79.63%

85.19%

文完成

62.96%

70.37%

85.17%

96.3%

平均

48.15%

48.15%

55.56%

59.26%

63.89%

66.67%

77.78%

82.40%

90.75%

このように、「ケド/ガ」の機能により、習得状況に大きな差がある。習得率の最も高い「前提表明」より、最も低い「発話補完」及び「名前告げ」はその半分に過ぎない。それは、日本語教育現場、日本語教科書で余り重視されていないことによる可能性が高い。後節において日本語教科書における扱われ方と関係があるか否かについて分析を実施する。

第三章.日本語教科書における「ケド/ガ」の扱われ方

「ケド/ガ」の習得状況を改善させるためには、研究を推進する必要があるが、日本語教育の実践面から次のようなことが考えられる。初級の早い段階から、会話練習の中に取り入れ、まとまった形で解説し、この言い方に慣れさせることが肝心である。それから、レベルの向上に伴い、「ケド/ガ」を使う理由がはっきりわかった上で用いられることが望ましい。そのため、行き届いた解説と場面種類の多い会話練習を兼ね備えた教科書が必要である(佐藤 1994)。本節において、近年多く使われている『総合日語』を例とし、日本語教科書における「ケド/ガ」に対する扱われ方の実際を明らかにし、中国人学習者の習得状況との関係を検討する。

表6 『総合日語』に見える機能別の「ケド/ガ」

機能

下位分類

用例

回数(比例)

文中

1.前置き

①話題提示

李:高橋さん、昨日の話ですけど。
高橋:ああ、宝くじの話ですね。

3(1.96%)

②前提表明

王:遠藤先生、今度日本語専攻の学生みんなで、香山公園へ遠足に行きたいんですが、先生もいらっしゃいませんか。

65(42.48%)

③注釈  

男の人:すみませんが、中国語はまだ自信がありませんので、救急車が来るまで一緒にいてください。

22(14.38%)

文末

2.発話補完

朴:それじゃあ、なんだか誠意が感じられないね。
チャリヤー:え、そう?タイにもお返しの習慣があるよ。まあ、すぐには返さないけど。

6(3.92%)

3.発話緩和

木村:ねえ、王さんもマイクさんも、外国人力士のファンなの?
王:えっ、そ、そんなことはないですけど…。

18(11.76%)

4.働きかけ

①依頼・要望

隣の学生:すみません、ちょっとうるさいんですが…。

高橋:すみません、静かにします。

9(5.88%)

②意見・意図・考え方求め

マリー:あのう、東大寺は前に来たことがあるので、一人で興福寺に行ってみたいんですけど…。

26(16.99%)

③名前告げ

部長:もしもし、わたくし東西大学の青木と申しますが…。

3(1.96%)

④受入求め

これ、つまらないものですが…。

1(0.65%)

153

 

この結果から考えると、バランスが取れているとは言い難いが、実際に合理的であるか否か、更に検討する必要があるかもしれない。次に各機能の教科書における比例と前節実施した調査結果と比較し、関連性分析を行う。

表7 各機能の調査結果と教科書出現状況との比較

機能

話題提示

前提表明

注釈

発話補完

発話緩和

依頼・要望

意見・意図・考え方求め

名前告げ

受入求め

調査結果

77.78%

90.75%

59.26%

48.15%

55.56%

82.40%

63.89%

48.15%

66.67%

総合日語

1.96%

42.48%

14.38%

3.92%

11.76%

5.88%

16.99%

1.96%

0.65%

習得率の高い機能は、「前提表明」、「話題提示」、「依頼・要望」であるが、それぞれ『総合日語』における比例が、42.48%、1.96%、5.88%である。「前提表明」は、習得率も教科書における出現率も最も高いである。しかし、「話題提示」、「依頼・要望」は、教科書における比例はそれほど高くない。一方、習得率の比較的に低い「発話補完」、「発話緩和」、「名前告げ」は、どちらも教科書に出現するのが少ないのである。つまり、習得しにくい機能は、教科書にあまり扱われていないが、教科書に出現率が高い機能としても、習得状況がいいとは限らない。それは、教科書に現れる回数だけではなく、具体的な提示方法と関係があるのではないかと考え、次節で教科書における提示方法等について検討する。

3.3 教科書分析の結果のまとめ

本節では、『総合日語』を対象とし、「ケド/ガ」の各機能、提示方法、各バリエーションに対する扱われ方を整理し、まとめた。その結果、全体的に見れば、『総合日語』4冊における「ケド/ガ」の機能説明や用例列挙などは、日常会話での使用頻度やその機能面からみた重要性に照らして、不十分である。具体的には、下記の問題点が明らかになった。

①各機能の分布が偏っており、9つの内、「前提表明」は圧倒的に多く、65例あるのに対して、「受入求め」は1例しかない。そして、「前提表明」及び「意見・意図・考え方求め」という2機能だけで、60%近くになっている。それに対して、「名前告げ」「受入求め」「話題提示」3つで、合わせて4.57%に過ぎない。

②会話文などに出現する回数の多い「注釈」や「意見・意図・考え方求め」としても、習得率がそれほど高くない。従って、行き届いた解説がなければ、指導方法として十分だとは言えない。

③提示方法について、主に会話文、読解文等に現れている。「ケド/ガ」を文法として解説するのは3箇所だけで、「発話緩和」「前提表明」「依頼・要望」「話題提示」にしか触れず、詳しく解説したことがない。「ケド/ガ」の使用による機能や場面説明などが十分説明されていない。また、「ケド/ガ」の機能とそれに含まれる話し手の気持ちの両方から分かり易く教えていく必要があることが先行研究で指摘されたが、教科書ではそれについて一切触れていない。つまり、「ケド/ガ」に対する文法的な解説は不十分だと言わざるを得ない。

④教科書が各バリエーションの扱われ方は、実際の使用状況とは大きな差がある。三枝(2007)における「ケド/ガ」の使用率は65%に達し、「ガ」は4.57%に過ぎないが、『総合日語』では全く逆になり、「が」のほうが最も多く現れ、60%を超えており、「けど」が33.33%に過ぎない。また、教科書は実際より偏っている。

第四章.結論

4.1 まとめ

話し言葉の習得に関して、多くの日本語学習者が困難と感じるものの1つは、「ケド/ガ」による発話である。実際には、その用法に関する先行研究は数多くある。しかし、日本語教育現場に十分に生かされていない現状である。本稿では、まず先行研究の結果を踏まえ、「ケド/ガ」の機能を再分析し、4種類に分け、更に下位機能を9つに分類して論じた。それに基づき、2つの研究課題を中心に検討した。1つはアンケート調査により、中国語を母語とし、かつ中国に在住している学習者の「けど」の各用法に対する習得状況を調査すること、もう1つは、日本語教科書における「けど」の扱われ方を考察することである。

 その結果、学習者にとって、習得率の低い機能は、「発話緩和」、「名前告げ」、「発話補完」で、比較的に高いのは、「前提表明」、「依頼・要望」、「話題提示」である。その習得状況におけるばらつきはとても明らかなものである。また、学習者は他のバリエーションより、「ガ」の使用率が圧倒的に高いことが分かった。

 教科書分析により、『総合日語』の不足が指摘された。まとまった形での解説が足りないこと、各機能の分布が偏っていること、バリエーションの扱われ方と実際の使用状況とはズレていることが挙げられる。それにより、「ケド/ガ」に対する習得に大きな影響が及ぼされている。

4.2 今後の課題

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