鸥外《青年》中的日记——小说主题再探索

 2022-04-10 22:04:48

论文总字数:16074字

摘 要

  小说《青年》最初于明治43年12月至明治44年8月连载于杂志《卯》,是鸥外第一部长篇小说。先行研究多关注《青年》的思想性,对于该作品文学性的讨论稍显不足。本文通过分析《青年》中的戏剧性结构,意在评价该作品的文学价值。

  第一章中,通过梳理先行研究,笔者发现《青年》的解读角度较单一,应该从艺术性等多角度进行解读。第二章中,通过分析《青年》中日记的叙述特点,对主人公的恋爱观进行了解读。第三章中,继一、二两章的分析成果,探索作品虚拟世界的特征,主要对小说中的恋爱观、艺妓形象以及女性认识进行描述。

  小说《青年》通过第一人称叙事手法,构建了以主人公情感世界为核心的虚构空间。本文异于以往作者论角度的分析方法,从读者的角度出发对作品的主题进行了新的解读。从作品重现现实的角度出发,联系明治40年代社会现实,本文主要探讨了《青年》中表达的精神与肉体结合的情感联系的理想性。

关键词:鸥外、青年、恋爱、女学生、艺妓

要 旨

 『青年』は明治43年12月から44年8月まで、雑誌「スバル」」連載された鷗外のはじめての長編小説である。『青年』は研究史によると、思想小説として認められることが多く、「小説」としての特徴が無視される傾向がある。本論では『青年』における演劇的構造を検討し、『青年』の芸術的価値、すなわち『青年』の文学的特徴を解明した。

第一章では、『青年』の研究史を踏まえ、従来の研究における解読方法の単一性を指摘し、『青年』における芸術性を認めるべきであると主張した。

第二章では、『青年』における日記の一人称告白文体の特徴について論じ、日記の中に隠した恋心の存在を論述した。

第三章では、第一章と第二章における日記についての分析を踏まえ、『青年』における恋愛観、芸娼妓および女性認識について、小説の虚構的世界におき、その存在理由を分析した。

『青年』には日記の一人称告白をはじめ、小説の虚構性の利点を用い、主人公純一の情欲世界を中心に小説の独立した芸術世界を構築する。本論では、作者の立場から離れ、読者の視点から小説を読み解き、小説の主題を再認識した。『青年』には主人公が精神と肉体を結び付け、小説の現実的歴史時期、明治四十年代と比べ、より理想的な感情関係を築く欲望を持っていると主張した。

キーワード:鷗外、青年、恋愛、女学生、芸娼妓

目  次

はじめに……………………………………………………………1

第一章 失敗作としての青年……………………………………………2

1.1  『青年』における構造の破綻と主題提示方法の問題…………………………2

1.2  小説における真実と虚構…………………………………………………3

1.3  芸術性と告白……………………………………………………………3

第二章 隠した恋心——日記のテクスト分析…………………………………5

2.1  日記を書く目的…………………………………………………………………5

2.2  ヒロインの不在…………………………………………………………………6

2.3  肉体と精神との関係……………………………………………………………7

第三章 芸娼妓の登場………………………………………9

3.1  恋愛観の謎………………………………………………………………………9

3.2 芸娼妓の演技……………………………………………………………………9

3.3 「娼妓」の型と「母」の型への批判……………………………………………9

おわりに……………………………………………………………………11

参考文献……………………………………………………………………12

謝辞………………………………………………………………………13

はじめに

 『青年』は鷗外の長編小説で、明治43年12月から44年8月まで、雑誌「スバル』」連載されていた。

主人公青年小泉純一は地方資産家の一人息子として小説家になる夢を持って上京する。美術学校の生徒瀬戸や医科大学の大村と往来する。銀行家のお嬢さん、お雪と淡い交渉を生じるが、演劇『ジョン・ガブリエル・ボルクマン』を見に行く契機に、同郷の法律学者坂井の未亡人と出会い、親しくなる。書物を借りに坂井夫人を訪ね、肉体関係までも持っている。坂井夫人から箱根行きに誘われて、行ってみると、坂井夫人は岡村という画家と親しくしている。そこで、純一は嫉妬や寂しさなどを感じ、坂井夫人から離れる決意を固め、芸術の創作への希望を感じつつ帰京する。以上のほか、忘年会に出る芸者おちゃらや箱根の旅館の女中お絹などの女性引き立て役も興味深い登場人物である。

『青年』は鷗外が文壇復帰後はじめての長編小説であるが、漱石の『三四郎』に影響され、「技痒を感じて」創作した作品として認めたれることが多い。

 本論では、『青年』を明治40年代の特定の所に置いてみて、当時読者の視点から小説としての「芸術性」について検討し、作品における「恋愛」という趣旨を作品の世界にいかに問題化されるのかを解明することを目的とする。

  1. 失敗作としての『青年』

 

1.1 『青年』における構造的破綻と主題提示方法の問題

従来の研究においては、『青年』は小説として不出来な作品という点は人々との意見がおおむね一致している(中野, 1977: 322)。つまり、『青年』は芸術作品として完成度が高くないという評論が多い。

第一には、構造的破綻について、それを指摘する論考が『青年』の従来の考察には多数存在している。奇形性も紛れもなく示していると唐木順三(1943: 220)が指摘するように、『青年』には「思想的閲歴」、「肉体的閲歴」、「文学方向の切り換え」三つのモニュメントが有機的関連性を持たないまま放置され、作品を統一する主題やプロットが見当たらない。

その点について、1990年代以降の研究においては、研究者たちが『青年』における構造問題を意識して、それを円滑的に構築させるために、多数な理論や方法を用いている。清水孝純(1997: 210)が青年における「文学空間」を「ポリフォニックな自意識の空間」として扱っている。そのポリフォニック[1]な自意識の空間においては様々な「声」が存在している。「小説家の夢」、「坂井夫人から誘惑」、「本能の策励」、「意志との戦い」などがお互いに相違する「声」として見られ、それらの声を対話させ、そのなかにもっとも主導を得た声を選び出すというのを純一における青年の特質として清水は解読している。藤森(2004: 350)が『青年』にける男性二人と女性一人からなる三角形的欲望関係をみだし、純一の性欲の背後に隠れるホモソーシャルな強制的異性愛体制[2]の存在を指摘している。生方(2009: 102)も『青年』における「性欲問題」を注目している。まずは性欲問題を純一自身の「意識」における欲望として扱い、性欲を無意識の領域におさめている。特に『青年』における恋愛物語の構造が「性欲を中心とした無意識の世界」と解釈されている。さらに、坂井夫人との交際を「無意識の動きを女性に投影する」行為として読み解き、ジェンダーの規則の下の無意識の表象する試みとして性欲をとらえている。

第二は、主題の提示する手法に対する批判もなされている。『青年』における三つの事件が構造的には関係づけられずに、作品における主題の伝えが畸形となっている。その理由といえば、『青年』には手安く問題を発見することができ、それに能事のおわったような気をおこさせることがみられると中野重治(1977: 323)が指摘している。つまり、『青年』には読者に明確的な主題を意識させる「謎の力」が存在している。その謎の力が作者の意図とされる主題を読者に提示を与えている。

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